『刺青とヌードの美術史』

刺青とヌードの美術史―江戸から近代へ (NHKブックス)

 

『刺青とヌードの文化史 ー 江戸から近代へ』
宮下規久朗
(NHKブックス/2008年)

作品のモチーフに頻繁に裸体の人物を描くにあたり、一度「裸体」についてはしっかり書物などを引きたいと思っていたので購入。

この本ではとくに、(良くも悪くも) 閉ざされていた日本に、西洋文化や美術という概念が流入してきたところから、日本人の裸体観の混迷ぶり、適応力の (やや過剰且つどこかオカシイ) 高さ、現代の公共の路上などに見られる裸体氾濫状態へのなんとも言えない違和感 (と、そこはかとない親しみ) についてまで、美術史に照らし合わせながらとても分かりやすく解説されています。

以前、ある欧米人に
「ニホン人は、電車の端の座席が大好きダネ〜! ナンデ!」
と言われ、へー、そうか、不思議なのか。と思ったことがあります。
日本の国に生まれ住む日本人にはやはり、見も知らない他人と「身」(この本で言うところの、魂と肉体を同一視したもの) と「身」が触れ合うのはなんだか抵抗があるのだと思います。文化信教風俗観以外にも、湿度の高い気候条件なども、その国民性に影響しているのかもしれません。

読後、普段の生活にも照らし合わせて検証したり、とてもおもしろい本でした。